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て?よくそんな環境でグレなかったネ」と言われ、エッ?と耳を疑いました。(そうか、こんな理由でグレる人もいるんだ)と思うと同時に(自分を大切にしてくれる人をどうしてグレて困らせなければならないの?)と、友達の思いがけない言葉に戸惑いました。
反抗は一種の「暴力」を伴います。絶対にいけない実際の暴力、精神的な暴力。どんな理由をつけても、それはいけない事です。反抗した方も、された方も「痛み」が残ります。その「痛み」を受け止めてくれた、今の家族の中で、私は幸せです。
随分困らせた後で、いろいろな事に気付きました。
自分がその家の子ではない、という事実を知っている里子は、『絶対に自分は大事に思われている、愛されている』と、心から信じられるまで、何度でも確かめてしまうのです。私にしろ、よその子(里子)にしろ……。
その方法が、何か、とても下手な子もいるようです。
(どうせ本当の両親ではないんだから、私のことなんか別にどうでも良いんだ)、(本当の親なら、うるさい事も言わないだろうし、お小遣いも沢山くれるだろう)等と私

 

 

 

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